2018/12/20

摂食障害になる前に…本当になくすべきもの

元マラソン選手の原裕美子さんの事件の背景に摂食障害があったことは記憶に新しいところです。
まだ放送されてはいませんが、まさにこの記事を書いている今日の夜、NHKのクローズアップ現代+でスポーツ界のパワハラについて取り上げられます。
少しずつではありますが、摂食障害について、そして日本陸上長距離界における行き過ぎた選手の健康管理について知られるようになってきたと感じています。

先日の毎日新聞の記事には、「心むしばむ摂食障害」というものがありました。
画像はその記事の冒頭部分です。
摂食障害に苦しみ、引退をした元選手は「あのまま続けていたら死んでいたかもしれない」と語ります。
この元選手の記事や原さんに関する報道を軽く受け止めてしまうと「摂食障害が原因」とだけ捉えられてしまうかもしれません。
摂食障害に対する理解が深まるのはよい傾向だと思いますが、問題なのはその摂食障害になってしまった原因「行き過ぎた健康管理」そしてパワハラです。
摂食障害は、追い詰められた選手の症状のひとつに過ぎません。
限界を超えて働かされる過労が原因で自殺する社会人がいるように、陸上選手だって自殺を考えてしまうこともある。
そのくらいの危機感を抱き、原因となる部分を変えていかなければならないのです。

私の親しい人の中にも、「このままでは自殺してしまうかもしれない」と感じるほど摂食障害に苦しんでいた元選手がいます。
その最大の原因は、厳しい体重管理、人格を否定するほどの罵声など、コーチからのパワーハラスメントであることは明らかでした。
「摂食障害は周囲の人が気づいてあげることが大事」とよく言われますが、実業団の陸上部の場合は寮で生活をすることが多く、最も近くにいるのがその要因を作り出しているコーチなので気づくことなんてありません。
体重が少しでもオーバーしていたり、普段の練習で設定タイムがクリアできないでいると、
「精神力が弱い」
「実業団の選手としての自覚がない」
というような理由を並べられてしまいます。
強豪チームであれば、結果を出している選手がいるのも事実なので、「従えないお前が悪い」となってしまう。
恐らくこの考え方が、度を越した選手管理の原因です。

容易なことではありませんが、動かなければ何も変わりません。
毎日新聞の記事の最後で、インタビューに答えた元選手は「若い子に同じ思いをしてほしくない」と語っています。
私も同じ思いです。
自分にも出来ることを模索していこうと思います。
そしてもし、この記事を読んでいる人の中に、今まさに苦しんでいる長距離選手がいるのなら、誰でもいい、少しずつでも相談してくれたらと思います。
愚痴をぶちまけるだけでもかまいません。
それだけでも、だいぶ楽になるかもしれないのですから。