2017/10/22

林田玲奈さん|プリンセス駅伝2017(メンタルの強さとは)

プリンセス駅伝、ユニクロの1区は林田さんでした。
ラストの競り合いまで集団につき、何度かスパートをしかけ、トップと10秒差の区間11位で襷をつなぎます。
先月の全日本実業団では故障明けからまだ日も浅く、10000mを34分台で走っていました。
あれから僅か1か月。
スローペースとはいえ台風の影響による強風の中、今回は終盤まで離されなかった。
ここまで復調した理由には、効率よくしっかり走り込めたことが挙げられます。

離されて前に追いつこうとするとき、ほとんどの人が「根性」で喰らいつくイメージを持つと思います。
しかし本来のメンタルの強さとは、どれだけ集中しどこまで冷静でいられるかということだろうと私は考えています。
集中と冷静さを維持出来ているならば、集団から離れても弱っているからではなく、自分の意志で「ペースが速いから離れておこう」というようになるはずです。
「もうだめだ」と離れてしまう時、選手は既に集中の糸が切れ冷静さを失っています。
そこで「喰らいつけ!」と声をかけても時既に遅く、追いつくことはまずありません。

スパートを仕掛けるとき、必要になるのは決断と勇気です。
その決断と勇気は、集中と冷静さがなければ生まれません。
集中と冷静は、日々の練習で培われるものです。
練習内容に不安があったり、練習不足だと選手が感じるようでは望めません。
そして観戦者は、他でもない選手の「勇気」から元気をもらうのだと思います。

決断を実行できたレース後の選手は、結果はどうであれ充足しているはずです。
今回の林田さんがまさにそうだったと思います。
スタートラインにつく前から林田さんは集中していたように感じました。
不安もあったでしょうが「今できる走りをする」と覚悟を決めて臨めたのではないでしょうか。
素晴らしい走りでした。
お疲れ様、そしてありがとう。

2017/10/08

女子800m決勝|えひめ国体

えひめ国体2017、女子800mの決勝は各選手のベストタイムを考えると、日本陸上競技史上、最もレベルが高いメンバーが揃ったと言えます。
今年、2分0秒台を出している北村さんのタイムも注目されました。

さてレースはと言うと、1周目の通過が62秒でしたからこのペースでは日本記録の更新は難しい。
優勝は前評判通り北村さんで2分3秒97。
国体も制して今季は国内負けなしで終えました。
北村さんの強さが際立った1年でした。

中距離種目の場合、一度急成長してから次のピークまで時間がかかるケースが多いように思います。
日本の女子選手だとこれまで800mで数年にわたりベストに近いタイム、或いはベストを更新して走った選手は佐藤美保さんしかいない。
北村さんが来年も今季と同じような走りを見せてくれるのかが注目されます。

この試合、ロッテの大森さんは2分6秒75で5位でした。
タイムや順位はともかく、フォームがちょっと力んでいるように見受けられました。
上半身、特に肩に力みがあると、後半の伸びに精彩を欠いてしまいます。
やっぱり1周目をリラックスしつつそれなりのタイムで走ること。
位置取りもある中それがとても難しいのですが、大事なのは1周目の走り方。
そのためには、気負いすぎることなく、自信を持ってスタートラインに立てるだけの準備をしておくこと。
言うは易しとはまさにこのことです。
800mはいつ見ても、何度見ても、毎回難しい競技だなと思わされます。

2017/10/01

大森郁香さん|全日本実業団陸上2017

全日本実業団の2日目、女子800mに出場した大森さんは2分7秒68で3位でした。
初日の1500m、最終日の400mを棄権して臨んだ800m、ゴール後になかなか立ち上がれなかった様子から調子は相当悪かったことが想像されます。
それにしても大森さんの足運びと接地はやはり素晴らしい。
良いフォームだなと改めて魅せられました。

大森さんを含む数名の選手は、実力的には北村さんに迫るものを既に持っているはずだと私は思います。
とにかく2分を切ること。
多くの選手が目指している東京五輪までもう3年ありません。
簡単ではないタイムですが「東京五輪を目指す」=「2分を切って日本記録出す」ことに他なりません。
北村さんが2分0秒台を出した今、女子800mは一戦一戦の持つ重みがこれまで以上に増してきています。
今シーズン終盤にあたる次の国体をどういう状態で臨みどのような結果を残すかは、来シーズンに向けたトレーニング内容に大きく影響してくるでしょうし、それはつまり、来シーズンのタイムにも関わってくるということです。
大森さんも自己新を狙ってくるはずです。
今度の国体はいつになくハイレベルな争いになりそうです。