2019/09/15

塩見綾乃さんの全日本インカレ2019


今日の陸上関連のニュースはMGCが目立っていましたが…
私はMGCよりもインカレが気になっていました。
注目していたのは立命館の塩見さん。

塩見さんの出場したレースは…
(初日)400m予選
(2日目)400m準決勝、400m決勝
(3日目)800m予選、800m準決勝、4×400mR予選
(最終日)800m決勝、4×400mR決勝
以上8レースで、インカレ期間中はフル出場でした。
最初の決勝種目は400m。
55秒10で2着。
予選ではリラックスしてラストを流して54秒85でしたから納得のいかないタイムだったことと思います。

次の決勝は800m。
ラストで一瞬広田さんに前に出る場面がありましたが終始先頭で走り続けての優勝。
800mという距離で最初から最後まで先頭で走り続ける。
なかなか出来ることではありません。
素晴らしいレースでした。
タイムは2分6秒61ですが、前日までに6レース走っていますからあまり参考にはなりません。

800m決勝のスタートから85分後、最後の決勝種目、マイルリレーを走ります。
アンカーを走った塩見さん、ラスト100mでは大阪成蹊大とかなり差があるのですが、驚異的な追い上げで0.12秒差の2着でゴール。

結果的に優勝1種目、2着2種目で今大会を終えています。
ロングスプリント系の種目を4日間で8レース…考えただけで吐きそうです。
今大会の「頑張ったで賞」は間違いなく塩見さんです。
お疲れさまでした。
今大会、東大阪大の川田さんも塩見さんと同じ種目に出る予定でしたがDNS。
川田さんが出ていれば、また結果は変わったことでしょう。

2019/09/10

リカバリーのための食事(1)|必須アミノ酸を中心に


ランナーのリカバリーに必要な食事法について、数回の記事に分けて書き残しておこうと思います。
以前に書いた記事「ランニングと活性酸素」のアクセス数が今も定期的にあります。
この記事の中で、私はランナーズフェイスについて書きました。
ランナーズフェイスとは、ランナーの多くが実年齢よりも老けて見えることから生まれた言葉で、ランナーの老け顔を意味します。
周囲のランナーとの会話、いただいた質問メールなどから、ランナーズフェイスを気にしている方は多いのではないかと思うようになりました。
「老化防止」という観点から食べるべき食材、避けるべき食材を考えてみると、「リカバリーに最適な食事」と近いことが見えてきます。
そこでこの記事を書こうと思うに至りました。
先ずは「必須アミノ酸」についてです。

ランナーに限らずタンパク質は必要な栄養素です。
生きているだけでも必要ですし、運動後の筋肉の再生と増強にも必要不可欠です。
このタンパク質を構成するのがアミノ酸で、必須アミノ酸(9種類)と非必須アミノ酸とに分類されます。
必須アミノ酸は体内で必要量を合成することが出来ないため、食事から補う必要があります。
アミノ酸スコアという言葉がありますが、これは必須アミノ酸の含有量のバランスを示す数値です。
この数値が100に近いほどタンパク質が体内で有効利用されます。
栄養や食事に関する書籍には、質のいいタンパク質を摂取しましょう、と書かれたものが多くあります。
「質のいいタンパク質」=「アミノ酸スコアが高い食材」と考えて間違いありません。
アミノ酸スコアが100の代表的な食材を挙げてみると…
牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、アジ、いわし、鮭、マグロ、牛乳などがあります。
見ての通り、アミノ酸スコア100の食材は動物性たんぱく質に多い。
ではこの動物性たんぱく質の中でランナーがより多く摂るべき食材は何か、食べない方が良いものは何かを考えてみます。

「年寄りこそ肉を食べた方が良い」とよく耳にします。
しかし脂質の割合が高い肉は避けた方が良い。
老化を促進する恐れがあるからです。
前の記事では活性酸素による酸化について書きましたが、もう一つ、老化の原因となるものに「糖化」があります。
糖化とは、タンパク質や脂質が糖質と結合し劣化することです。
この糖化によってAGEという老化を促進する物質が生成されます。
AGEは体内でも生成されるし、食事からも摂取されます。
体内で生成されるのであれば、脂質が多い肉類は避けるべきです。
脂質が多い肉とは、ずばり脂身つきの肉ですから見た目にも非常に分かりやすい。
牛肉も豚肉もバラ肉で脂身のついているものはなるべく避けるべきです。
それから部位に関係なく和牛は要注意です。
和牛の方が輸入牛よりも安全性があるように思えますが、安全性と脂質の多さとは別問題。
高級な和牛にはたいてい「サシ」が入っています。
美味しいのですが、脂肪であることに変わりはありませんから食べすぎは注意です。
豚肉や牛肉では脂身の少ないヒレ赤肉がお勧めです。
次に、AGEを摂取しやすい食材を挙げるとフライドチキン、唐揚げ、焼いたベーコンやソーセージ、ステーキなどがあります。
揚げたり焼いたりすることでこんがりとした美味しそうな色が付きます。
それこそが糖化です。
特に揚げ物は脂質とタンパク質、衣の糖質、そしてAGEそのものまで摂取してしまいます。
出来るなら避けた方が良いでしょう。

ちなみに、沖縄で広く食べられているポーク缶は無添加だろうが減塩だろうが、あまり健康的な食材とは思えません。
脂質の多いポーク缶でタンパク質摂取は愚の骨頂です。
ここ数年、沖縄の平均寿命は短くなる一方で、特に40歳~64歳の死亡率は全国と比較しても高く、死因としては慢性肝疾患・肝硬変、糖尿病、急性心筋梗塞も高くなっています。
そして私の周囲には「小さいころから毎日のようにポーク缶を食べている」という人が少なくありません。
沖縄ではフライドチキンなど揚げ物を好んで頻繁に食べる家庭も多いようですから、ポーク缶だけが原因とは言えないでしょう。
ですが、ポーク缶を食べるようになった世代から平均寿命が短くなっているようです。
アメリカ社会になって大きく変わった食生活に問題があるように思います。

では積極的に食べたい食材はと言うと、鶏肉(むね肉、ササミ)と鮭、マグロです。
鶏肉にはカルシノンという酸化と糖化を抑制する物質が含まれています。
渡り鳥が長い距離を飛べるのは、体内にあるカルシノンが活性酸素を消去しているからだとする研究者もいます。
本当かは分かりませんが、カルシノンが抗酸化・糖化物質であることは間違いありません。
人間の体内にも存在していますが、加齢とともにその量は減っていきますから、食事から摂取するのは有効な手段です。

鮭の身にはアスタキサンチンが含まれています。
アスタキサンチンは鮭の身の赤い色素で、これが強力な抗酸化物質であることが分かっています。
アスタキサンチンは鮭のほかでは蟹、エビなど、熱すると赤くなる魚介類に多いので、ベジタリアンやヴィーガンの人だと摂取するのが難しいかもしれません。

マグロには老化防止の代表格、EPAとDHAが含まれています。
また、魚の脂質はオメガ3という脂肪酸が豊富で肉類とは全く異なるものです。
簡単に言えば、肉の油は血液をドロドロにするけれど、魚の油は血液をサラサラにする。
肉ばかり食べずに週に何度か魚を食べよう、というのはつまり、肉でドロドロを魚のサラサラで中和してしまおう、ということです。
リカバリーのためには、タンパク質と同じくらいに脂質が重要です。
脂溶性のビタミンA、D、Eは脂肪に貯蔵されますし、脂肪がなければ新陳代謝そのものがスムーズに行われません。
良質なタンパク質を摂取することと同様に、良質な脂肪を摂取することの重要性を考えると、脂ののった鮭やマグロは最適な食材です。
アミノ酸スコア100で良質なタンパク質と同時に良質な脂質が摂取出来て、しかもプラスαの抗酸化物質などが含まれているのですから。
また、オメガ3系の脂肪酸、EPA、DHAが豊富な魚としてサンマが挙げられます。
サンマもお勧め出来る魚です。

では、アミノ酸スコアが100に満たない食材は意味ないのか…というとそういうわけではありません。
アミノ酸スコアは、9種類の必須アミノ酸それぞれの数値の中で最低の値となります。
9種類の内、8種類が100以上でも1種類だけ70であれば、他の8種類も70までの働きしかしません。
しかし組み合わせることですべてが100になればいい。
ベジタリアンで、肉魚は食べないけれど牛乳はOK、という人は迷わず乳製品を一緒に摂取すればそれだけでアミノ酸スコアは100です。
乳製品も食べない完全な菜食主義者(ヴィーガン)だとしても、必要な食材をしっかり選ぶことさえ出来れば問題ありません。
ヴィーガンはタンパク質不足になると言う人もいますが、タンパク質を摂取してもそのまま新しい筋肉になるわけではありません。
一度アミノ酸に分解され、分解されたアミノ酸が新しいタンパク質を構成し筋肉となるのです。
タンパク質の量よりも、必須アミノ酸がすべて含まれていることが重要になります。
たとえアミノ酸スコアが100ではなくても、フルーツや野菜の多くには必須アミノ酸が含まれています。
それらを上手く組み合わせて摂取すれば問題はないでしょう。
ただ、乳清タンパク質(ホエイ)には抗炎症作用があります。
人間の筋肉には常に小さな炎症が起きています。
当然、激しい運動後は大きな炎症が起きることになります。
加齢でも筋肉の炎症が起こりやすくなり、回復には時間がかかるようになります。
ホエイはこうした炎症を抑え、新しい筋肉の生成を促す働きがあります。
ヴィーガンでも問題はないと言っても日常生活の話です。
筋肉に負荷がかかるランナーであれば、乳製品(ホエイ)を摂取出来ないことは不利だと言えるかもしれません。
その不利を補うためなのでしょう、完全菜食主義者のトレイルランナー、スコット・ジュレクはウコンを豆乳に混ぜて飲んでいるようです。
秋ウコンに含まれるクルクミンには抗炎症作用があります。
肩こりや筋肉痛の湿布薬にも使われています。
摂取しても抗炎症の効果はありますので有効な手段だと思いますが、ホエイと比較した時の効能の違いは、私には分かりません。

ところで、大豆のアミノ酸スコアは少し前まで86とされていましたが、現在は見直されており100になっています。
ホエイと比較すると、消化吸収されるまでに時間がかかるので、筋肉の修復にも時間がかかってしまいますが、大豆や納豆もプラスαが多い食材です。
大豆イソフラボンは抗酸化作用があり血流を促進する働きがありますし、納豆に含まれるナットウキナーゼは酵素で血栓を溶かすとされています。
他にも多くの利点があるので、納豆、枝豆など種類を問わず、大豆は毎日でも摂取しておきたい食材です。

他の食材についても紹介したいところですが、簡単にここまでとします。
そして以上を踏まえたうえで、次回は糖質(炭水化物)についてまとめてみます。

タンパク質(必須アミノ酸)の摂取を考察した簡単なまとめ

  1. アミノ酸スコアが100に近い食材を食べる。
  2. 脂質の多い肉はなるべく避ける。
  3. ベーコン、フライドチキンなど、揚げたり焼いたりしたものはさらに避ける。
  4. 肉類を食べるなら鶏肉がお勧め。牛や豚は脂身の少ないヒレ肉がお勧め。
  5. リカバリーには脂質も重要。質の良い魚の脂を摂ることを心掛ける。
  6. 魚類はマグロ、鮭、サンマがお勧め。
  7. 大豆を原料とする食材は毎日でも食べた方が良い。